『花のズボラ飯』が気持ち悪いといわれる理由は?食べ方や作画が原因?

『花のズボラ飯』が気持ち悪いといわれる理由は?食べ方や作画が原因?

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水沢悦子さんの漫画『花のズボラ飯』は、宝島社『このマンガがすごい!』でオンナ編第1位を獲得し、ドラマ化もされた人気作品です。手抜き料理をテーマにした斬新な切り口が話題を呼びましたが、一方でネット上では「花のズボラ飯が気持ち悪い」という検索ワードが目立つのも事実なんです。

ヒット作なのになぜこんなに賛否が分かれるのか、今回は読者から寄せられた評価をもとに、その理由を詳しく見ていきましょう。

目次

グルメ漫画なのに食事シーンの描写が独特すぎる

『花のズボラ飯』最大の特徴である食事シーンですが、ここに違和感を覚える読者が少なくありません。

主人公の食事中の表情に賛否両論

主人公の駒沢花は30歳の主婦という設定ですが、食事をするときの表情描写がかなり特徴的なんですよね。頬を赤く染めて恍惚とした表情を浮かべるシーンが毎回のように登場します。

特に印象的なのが、お隣さんからもらった栗を使ってクリームシチューを作る回です。このとき花は「栗ーミー」と言いながら、よだれを垂らして恍惚の表情を見せるんですが、この描写が「花のズボラ飯が気持ち悪い」と感じる読者を生んでいるようです。

現実の食事で誰かがこんな表情をしていたら、正直ちょっと引いてしまいますよね。グルメ漫画では美味しそうに食べる描写は大切ですが、度が過ぎると逆効果になってしまうのかもしれません。

食べ方の描写が不衛生に見える

食事シーンで気になるのは表情だけではありません。花の食べ方そのものにも問題があると指摘する声が多いんです。

よだれが垂れていたり、口の周りにクリームや食べこぼしがついていたり、フォークから糸を引いているような描写が頻繁に出てきます。ある回では、ケーキを食べる際の横顔に不自然なほどクリームがついていて、美味しそうというより不衛生に見えてしまうんですよね。

さらに卵かけごはんを食べる場面では、頬にご飯粒をつけたまま「がつがつばくばく」と咀嚼しながら話すシーンもあります。行儀が悪いというレベルを超えて、見ていて不快だと感じる読者がいるのも理解できます。

主人公の言動が年齢に合っていない?

食事シーンの描写だけでなく、花のキャラクター設定自体に違和感を覚える人も多いようです。

30歳とは思えない言葉遣い

花は30歳で作中で31歳になりますが、その言葉遣いが年齢にそぐわないという意見が目立ちます。

「栗ーミー」もそうですが、卵かけごはんを食べながら「今ならブタとよばれてもいいっ、幸せなブタちゃんです」と発言する場面もあるんです。20代前半ならまだしも、30代の女性がこういう言い回しをするのは違和感がありますよね。

こうした幼稚な表現が、「花のズボラ飯が気持ち悪い」という評価につながっている一因だと考えられます。

他人への配慮が欠けている性格描写

花の性格そのものに不快感を抱く読者も少なくありません。

お隣さんが栗を持ってきてくれたときには「なんで剥いてくれないの」「面倒くさい」と文句を言ったり、そのお隣さんのことを「全体的に茶色い」と表現したりします。感謝の気持ちが感じられない言動なんですよね。

また、単身赴任中の夫が急遽帰ってくるとなったときも、自分で美味しい料理を作って喜ばせようとは考えず、「回ってないお寿司に連れて行ってもらおう」と夫の財布をあてにする思考回路です。スーパーで立ち止まって後ろの人の迷惑になっていても気づかないシーンもあり、30歳の大人としてどうなのかと思ってしまいます。

部屋の汚さが料理漫画として致命的

グルメ漫画であるにもかかわらず、舞台となる花の自宅が異常に散らかっているのも大きな問題点です。

整理整頓されていない汚部屋

1巻の最初から、花の部屋は整理整頓とは無縁の状態で描かれています。食べた食器は洗わずに放置、扇風機にタイツがかかっている、ゴミは床に散乱、洗濯物は畳まずに部屋の中に放り込まれ、ブラジャーは本の上に置きっぱなしです。

これでは虫やカビが発生してもおかしくないレベルですよね。実際、単身赴任の夫が帰ってくる回では、慌てて掃除を始めるものの冷蔵庫以外を片付けるのがやっとという状態でした。

不衛生な環境での料理と食事

この汚い部屋で料理をして食事をするというのが、多くの読者にとって受け入れがたいポイントなんです。グルメ漫画なのに不衛生な環境で作られる料理を見せられても、美味しそうだとは思えませんよね。

さらに驚くのが、この汚部屋に友達を招いているシーンがあることです。「掃除したばかりだからまだ汚くない」と花は言いますが、実際にはテーブルの上にみかんの皮が放置されたままで、友達にも指摘されています。

不必要なエロ描写への違和感

グルメ漫画というジャンルなのに、なぜか性的な要素が頻繁に登場するのも批判の対象になっています。

主人公の服装が露骨すぎる

花は帰宅すると下着姿になることが多く、その様子を描いたコマまで存在します。胸の谷間が見える服装も頻繁で、パジャマの肩がずり落ちて胸が見えそうになっている場面や、ブラジャーをつけずに白いTシャツだけで胸の形がはっきり分かる描写もあるんです。

30歳の女性が自宅でくつろぐ様子を描くにしても、ここまで露骨に性的な要素を入れる必要があるのか疑問に感じる読者が多いようです。グルメ漫画を期待して読んだのに、こうした描写が続くと「汚らしい」「気持ち悪い」と感じてしまうのも無理はありません。

まとめ:賛否両論の理由は過剰な演出にあり

『花のズボラ飯』は手抜き料理という新しい切り口で注目を集めた作品ですが、食事シーンの過剰な表情描写、年齢に合わない言動、不衛生な生活環境、不必要なエロ要素といった複数の要因が重なって、「花のズボラ飯は気持ち悪い」という評価を生んでいるようです。

もちろん、こうした独特の表現が好きだという読者もいて、だからこそヒット作になったわけですが、万人受けする作品ではないのは確かでしょう。

漫画はフィクションですから多少の誇張は許されますが、度を越すと読者を遠ざけてしまう可能性があるということを、この作品は示しているのかもしれませんね。グルメ漫画として楽しむには、ある程度の覚悟が必要な作品と言えそうです。

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