「ご査収ください」は気持ち悪いの?言い換えはできる?失礼なのか調査

「ご査収ください」は気持ち悪いの?言い換えはできる?失礼なのか調査

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ビジネスメールでよく見かける「ご査収ください」という表現。何となく違和感を覚えた経験はありませんか?実は、この言葉に対して「気持ち悪い」「うざい」といった声も少なくありません。

目次

「ご査収ください」が気持ち悪い理由

多くの人がこの表現に違和感を持つ理由は、実はとても自然なことです。

文語体の堅さが現代的でない

「ご査収ください」の「査収」は文語体であり、現代の日常会話では使われない表現です。「査」は調べる、「収」は受け取るという意味で、合わせて「内容をよく調べて受け取ること」を指します。

この堅い表現が、現代のカジュアルなコミュニケーションに慣れた私たちには、少し大げさで古臭く感じられるのです。特に若い世代にとっては、まるで時代劇のセリフのような印象を与えることもあります。

使い方を間違えている場面が多い

「ご査収ください」が気持ち悪いと思ってしまう理由は、実は間違った使い方をしている場面が多いことです。

本来この表現は、契約書や請求書、見積書など「内容を確認することが重要な文書」を送る際にのみ使用すべきものです。しかし、実際には単なる連絡事項や情報共有のメールにも使われているケースが目立ちます。

たとえば「明日の会議時間をお知らせします。ご査収ください」といった使い方は明らかに不自然。会議時間の通知に「よく調べて受け取る」必要はありませんからね。

「ご査収ください」は失礼なのか?

結論から言うと、適切に使用する限り失礼な表現ではありません。

敬語として正しい表現

「ご査収ください」は、「ご」という尊敬語の接頭辞と「ください」という丁寧語を組み合わせた正しい敬語表現です。ビジネスシーンで使用しても何ら問題はありません。

ただし、目上の方に対してはより丁寧な「ご査収のほどよろしくお願いいたします」「ご査収いただければ幸いです」といった表現を選ぶのが無難でしょう。「〜ください」は命令文のニュアンスが含まれるためです。

適切な場面で使えば印象は良い

重要な書類を送付する際に「ご査収ください」を使うことで、「この書類は重要なので、しっかりと内容を確認してください」という意図を相手に伝えられます。これは決して失礼なことではなく、むしろ相手への配慮と言えるでしょう。

使うべき場面と避けるべき場面

この表現を効果的に使うには、適切な場面を見極めることが重要です。

使うべき場面

「ご査収ください」を使うべきなのは、相手が内容をしっかりと確認する必要がある文書を送る場面です。

具体的には、契約書や見積書、請求書、企画提案書、履歴書など、確認を怠るとトラブルになりかねない重要な文書が該当します。これらの書類には「同意する、納得する」という意味も含まれるため、「ご査収」という表現がぴったりなのです。

また、メールに重要な資料が添付されていることを相手に知らせる役割もあります。「添付ファイルをしっかり確認してくださいね」というサインとして機能するわけです。

避けるべき場面

一方で、単なる情報共有や日常的な連絡には使用を避けるべきです。

例えば、会議の日程変更のお知らせ、簡単な業務報告、お疲れ様メールなど、特別な確認作業が不要な内容には不適切。また、営業でパンフレットを送る際なども、相手に確認の義務があるわけではないので「ご査収ください」は使いません。

「ご査収ください」の言い換え表現

違和感を覚える方や、より自然な表現を使いたい方のために、様々な言い換え表現をご紹介します。

フォーマルな言い換え

取引先や目上の方とのやり取りでは、以下のような表現が適しています。

「ご高覧ください」は「高い位置から見る」という意味で、相手への敬意を表す非常に丁寧な表現です。重要な文書や上位者への連絡に最適でしょう。

「お目通しいただけますと幸いです」は、相手の都合を考慮した柔らかい言い回し。プレゼンテーション資料などを確認してもらう際におすすめです。

「ご参照ください」は、特定の資料や情報を確認してもらう際に使う表現。議事録や参考資料を送る場合に適しています。

カジュアルな言い換え

社内や親しい関係でのやり取りでは、もう少しカジュアルな表現が自然です。

「ご確認ください」は最も一般的で使いやすい代替表現。多くの場面で「ご査収ください」の代わりに使えます。

「ご一読ください」は、文書に目を通してもらいたい場合に便利。詳細な確認というより、全体的な把握を求める際に適しています。

「チェックをお願いします」は、同僚や部下とのコミュニケーションで使える親しみやすい表現です。

相手に応じた使い分けのコツ

効果的なコミュニケーションのためには、相手や状況に応じて表現を使い分けることが大切です。

社内でのコミュニケーション

同僚や部下との日常的なやり取りでは、「ご確認ください」「チェックをお願いします」など、シンプルで直接的な表現がおすすめ。スピーディーなコミュニケーションが可能になります。

上司や他部署への連絡では、「ご一読ください」「お目通しいただけますと幸いです」など、やや丁寧な表現を選ぶと良いでしょう。

取引先との関係

外部の取引先とのやり取りでは、プロフェッショナリズムと敬意の表現が重要になります。

通常のビジネス連絡なら「ご確認いただけますと幸いです」程度で十分ですが、重要な契約や提案の際には「ご査収のほどよろしくお願い申し上げます」など、より格式高い表現を使うのが適切です。

返事の仕方も重要

「ご査収ください」と言われた際の返事も、適切に行うことでスムーズなコミュニケーションができます。

まずは「確かに受け取りました」「受領いたしました」など、受け取った事実をすぐに相手に伝えるのがマナーです。そして内容を確認した後で「確認いたしました」「拝見しました」と改めて連絡します。

問題がなければその旨を伝え、修正点がある場合は「お手数をおかけしますが」といった配慮の言葉と共に具体的な修正箇所を伝えましょう。

まとめ

「ご査収ください」は気持ち悪い表現ではありませんが、使い方を間違えると違和感を与えてしまいます。重要な文書を送る際にのみ使用し、日常的な連絡では「ご確認ください」などの代替表現を選ぶのが賢明です。

相手や状況に応じて適切な表現を選ぶことで、より円滑で心地良いビジネスコミュニケーションを実現できるでしょう。言葉は相手への思いやりを表現するツール。ぜひ使い分けを意識してみてくださいね。

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