『このらぶチャンネル』気持ち悪いといわれる理由は?両親への批判も

『このらぶチャンネル』気持ち悪いといわれる理由は?両親への批判も

知的障害を持つ21歳のこのはさんと家族の日常を配信する「このらぶチャンネル」。温かい応援の声がある一方で、一部から批判的な意見も寄せられています。なぜ、このらぶチャンネルが気持ち悪いと感じる人がいるのか、理由と両親への批判について考察します。

目次

チャンネルの概要と反響

このらぶチャンネルは、コルネリア・デランゲ症候群という1万~3万人に1人の頻度で発症する遺伝性疾患を持つこのはさん(21)とその家族の日常を紹介するYouTubeチャンネルです。知的障がいや難聴などの症状があるこのはさんの成長や家族との関わりを通して、多くの視聴者に勇気や共感を与えています。反響が大きかったのは、特別支援学校の卒業式の朝を撮影した動画。睡眠障害のあるこのはさんが癇癪を起こし、ツナ缶を投げつける場面がありながらも、冷静に対応する両親の姿に「親の愛情と責任感が痛いほど伝わる」「尊敬します」といったコメントが1,200件以上寄せられ、210万回以上再生されました。

批判の内容とは

一方で、このらぶチャンネルに対して気持ち悪いと否定的な意見を持つ人々もいます。批判の内容は主に以下のような点に集中しています。

1. 外見に関する批判

コルネリア・デランゲ症候群の症状として、このはさんは身長130cmと小柄で、両眉がつながった特徴的な顔立ちをしています。このはさんの外見的特徴に対して「毛深い」など病気に起因する見た目に関する心無い言葉が寄せられることがあります。

2. 障害年金と YouTube 収入に関する議論

「YouTubeでの活動が『働いている』とみなされ、障害年金を受給することが適切かどうか」という疑問も一部から出ています。収益があるにもかかわらず障害年金を受給していることを「二重取り」や「三重取り」と批判する声もあります。

3. 税金の使い道への不満

「障害者を支援するのは、税金のムダ遣い」といった極端な意見も寄せられています。障害年金が税金から支払われていることへの納税者としての不満や疑問が理由にあるようです。

4. 育児スタイルへの意見

このはさんの母親の育児スタイルに対して、献身的である一方で「過保護すぎる」といった意見も見られます。

両親の思いと発信の理由

このような批判にもかかわらず、両親がチャンネルを続ける理由は明確です。まず、このはさんが生まれた当時は、コルネリア・デランゲ症候群についての情報が少なく、同じ障害を持つ子どもの親として参考になる情報を提供したいという思いがありました。また、父親は「このはが好きな、歌ったり踊ったりする様子を発表する場をつくりたかった」と話しています。「不登校だった子どもが、このはさんを見て勇気をもらい学校に行けるようになった」という視聴者からのコメントは、両親にとって大きな励みになっています。

 

障害者の育児には父親も会社を休まなければならない状況が多く、理解が得られずに退職せざるを得ない人が多いという現実もあります。このはさんの父親もその一人で、「障害児をケアすることの大変さがもっと伝われば」という思いも込められています。

“親亡き後”の問題と社会の課題

このはさんの両親は、避けて通れない”親亡きあと”の問題にも直面しています。「このはが幸せな日々を過ごせるように願っていますが、突然、私たちに何かあるかもしれない」と母親は語り、グループホームを探している状況です。しかし、このはさんにストレスがかからない施設を見つけることは容易ではありません。実際、試みたショートステイでは、「慣れない人と場所に緊張して、娘は帰ってきてからしばらく一睡もできなかった」と父親は明かしています。障害者の自立支援や介護の社会的基盤の不足という現実も、このチャンネルを通して浮き彫りになっています。

最後に 社会の理解と共生に向けて

このらぶチャンネルが気持ち悪いと言われる背景には、障害に対する社会の理解不足や偏見があると言えるでしょう。一方で、チャンネルを通じて障がいのある人々への理解が深まり、同じ悩みを持つ家族にとっての励みになるという側面もあります。このはさんの母親は「同じように障がいで悩むご家族のために、これからも動画配信を続けていきたい」と語っていました。批判があっても発信を続ける姿勢には、障がいのある人々とその家族が生きやすい社会を作りたいという強い願いが感じられます。このらぶチャンネルは、障害に対する偏見や社会が抱える課題を浮き彫りにするだけでなく、多様性を尊重し合う社会を目指す大切な一歩となっています。

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